現在の仙台市における高齢化の状況

仙台市をはじめとした東北地方は高齢者が特に増加している地域です。近年は首都圏への人口流出が多くなっていることも大きな要因として考えられます。仙台市の要介護・要支援認定者数について、全国平均と比較した場合の総数は平均よりも上回っている状況です。その流れは続いていくことが予測されており、今後25年間で約7割も増加するといわれています。それに伴い、介護業界のニーズは高まっており、現場では多くの介護職が求められています。

近年は高齢者の1人暮らしが増加しています。「病気や怪我の発見が遅れる」「社会的な孤立」「生活意欲の低下」「孤独死」といったリスクがあるため、何らかの対策を講じなければなりません。そのカギとなるのが、安否確認サービスの活用です。安否確認サービスにはいくつかの種類がありますが、仙台市では緊急通報システム機器の貸し出しを行っています。ボタン1つで市が委託している警備会社に連絡がいく仕組みで、状況によっては救急車や消防車も出動します。

高齢者は認知症の発症リスクが高く、65歳以上の高齢者の約3割は認知機能に何らかの問題を抱えているといわれています。一般的なもの忘れとは違い、社会生活に支障をきたすリスクがあるため、周囲が適切にサポートしなければなりません。そこで注目を集めているのが、自治体が開催する「認知症カフェ」です。認知症の人やその家族が利用できる交流の場です。仙台市でも認知症カフェを開催しており、地域の介護・福祉の専門家によって運営されています。

年齢を重ねると筋力と骨量が低下し、それに伴い介護が必要となる可能性が高まります。そのため、高齢者には筋力や骨量の回復・維持に向けた運動が求められます。特に、加齢による骨量の低下が著しいのは女性です。そういった状況の中、仙台市では高齢者が意識的に身体を動かせるように、「杜の都の体操シリーズ」の活用をすすめています。仙台の公式YouTubeチャンネルで見ることが可能で、普段運動をしていない人でも実践しやすい内容となっています。