高齢化によりニーズはあるが人手不足

ニーズはあるが人手不足

人手不足に陥っている原因とは

なぜ人手不足なのか

なぜ人手不足なのか

仙台市に限らず、全国的に介護職のニーズが高まっています。厚生労働省が発表したデータによると、2025年度には介護職が約253万必要になるのに対し、供給の見込みは約215万人で、約38万人不足していることが判明しています。介護職の充足率は年々低下しており、人材の供給が追い付いていません。なぜ介護職は人手不足に陥っているのか、具体的な原因を探っていきましょう。

給与の低さ

人手不足の原因としてまず考えられるのが、給与の低さです。仕事がハードである反面、給与が低いというイメージがあるようです。厚生労働省の調査によれば、介護職の平均月収は2022年時点で約31.7万円、年収に換算すると約380万円です。これは、全体の平均年収よりも低い水準です。

人間関係のストレス

人間関係のストレスも、人手不足を引き起こしている原因の1つとして挙げられます。介護現場は、介護職だけでなく医療職やリハビリ職などあらゆる職種の人がチームとなって働いています。そのため、人間関係の構築が重要となるのですが、十分なコミュニケーションが取れず業務に支障が出るケースも少なくありません。また、介護職は利用者からの要望に応える場面が多くなり、それがストレスを感じる原因になります。特に、認知症の高齢者とのコミュニケーションは困難で、理不尽な言動を受けることもあります。さらに、利用者の家族とのコミュニケーションも必要です。サービス内容についてクレームを受けるなど、自分の責任の範疇ではない部分で厳しい言葉を受け、それがストレスになるケースも少なくありません。

身体的負担の大きさ

介護職は身体的負担が大きいので、体力に限界を感じて離職する人も多いようです。特に、介護度の高い利用者が入居する施設では入浴や排せつの介助、車椅子からベッドへの移動などを頻繁に行うことになります。人手不足の影響から、本来は2人で介助すべき場面でも、1人でやらなければならないケースも考えられます。また、24時間体制の施設で働く場合は、夜勤が発生します。これによって生活リズムが狂い、余計に体力が消耗していきます。

少子高齢化の影響

少子高齢化によって労働人口が減少していることも大きく影響しています。高齢者(65歳以上)の人口と、現役世代(15歳~64歳)の人口の比率について、1950年時点では高齢者1人に対して現役世代が約12人であったのに比べて、2022年には高齢者1人に対して現役世代が約2人にまで減少しています。これは、介護職に限った問題ではありません。しかし、近年は特に介護職のニーズが高まっていることも影響し、人手不足が深刻化しています。

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